観たり、聴いたり、思ったり
【演奏会】第4回翔の会 江戸博大ホール(2022/3/26)
コロナで延期してて2年ぶりの開催。しかも初めて使うホールでした。
舞台設営から記録録音、照明、幕、すべて主催者側でやらなければならないので、普段とは違う神経を使いました。
普段は舞台進行だけに集中してればいいですからね。
舞台設営は汗だくでした。所作台16枚敷いて、そこに毛氈敷いて、屏風置く。因みに途中で屏風替えがある。もちろん終演後は片付けまで。久々大汗かく演奏会でした。
しかも今朝、体調不良者が出て(コロナではないですが)、急遽代演をお願いすることに。
代演してくださった、山登、山木両師には感謝感激です。そしてさすがですよね。今朝の連絡で代演ですからね。
不思議なものでこういうことがあると、「頑張らなくちゃ」というのが暗黙の了解みたいになって、団結力が増すというか、みんないい演奏だったと思います。
「四季の遊び」はお囃子が入ってとても雰囲気のいい演奏でした。お囃子がすごく効果的。
お客様も楽しめたのではないでしょうか。
江戸博ホールは音がいいとは聞いていましたが、実際良かったです。バランス取りやすいというか。
しかし江戸博自体が4月から改修に入るためしばらく使えません…。
来年の翔の会は2023/3/28北とぴあ つつじホールです。
【演奏会】女流義太夫演奏会3月公演 お江戸日本橋亭(2022/3/20)
毎月定例の女流義太夫演奏会。
今月は「桜咲ク」と題して、桜にちなんだ演目3つ。
「仮名手本忠臣蔵 力弥上使の段」
「一谷ふたば軍記 熊谷桜の段」(漢字が出ません)
「妹背山婦女庭訓 花渡しの段」
この3つを見てタイトルが桜とわかる人は相当なマニアではないでしょうか。
熊谷桜と花渡しはまぁ、「桜」とわかるにしても、力弥上使はなかなか「桜」と思わないですね。
義経千本桜でも入れたら良かったのに。
お江戸日本橋亭の近くの通りはオカメザクラが植えられていて満開でした。
ちょうど桜咲ク、とはなったわけですが。
【演劇】ラ・カージュ・オ・フォール(2022/3/16急遽公演中止)
「ラ・カージュ・オ・フォール」。
鹿賀丈史さんと市村正親さんのベストコンビによるミュージカル(?)
何度か再演をしていて毎回舞台ヲタの間では大絶賛だったのに、なかなか行ける機会がなく、今回やっと、やっとの思いで取ったのに、開場時間頃劇場の角を曲がろうとしたらこのメール。

えええー。

一応劇場の前まで行ったら、スタッフさんが「急遽決まりまして」とのこと。
公演の中止はすごく辛いものであることは、主催者側によくいる私は痛いほどわかるので、そうですよねそうですよね。と思いながら立ち去りました。
でも18日以降の公園については再開の可能性もあるとのことで、早速別日のチケットを取った。
舞台ヲタというのはそういうもんですよね。
なんとしてでも推しを見たいのだ。
再開してくれることを祈る。
追記:その後21日のチケットを取ったが、結局25日まで中止になってしまった。26〜30日で行けそうな日がないため、本当に心残りだが断念。
【演奏会】神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 第375回(2022/3/5 神奈川県民ホール)

指揮:川瀬賢太郎

ピアノ:小曽根真
という、ダブル推し出演なので、遠くて不安でしたが行ってきました。神奈川県民ホール。
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 第375回。神奈川フィル創立50周年記念公演〜川瀬賢太郎常任指揮者退任記念公演〜。
小曽根さんはJAZZピアニストですが最近はクラシックもよくやっていて、オケとの共演も増えています。私も何度か行っていますがラフマニノフは初めてでした。
一楽章は「ああ〜そこはずれないで!」というところがあったけれど、だんだんよくなって、途中アドリブなども入れたりして、楽しい演奏でした。川瀬さんが本当に楽しそうでした。川瀬さんの指揮は熱くてとても好きなのですが、今日はまた一段と熱くて、聴いているこちらも一緒に演奏している気になりました。
4楽章振り終わった瞬間の川瀬さんが本当に嬉しそうに「やった!やった!」という感じで飛び跳ねていて、こちらまで嬉しくなりました。
小曽根さんは川瀬さんにシャンパンか何かプレゼントされました。
「こんな機会に呼んでいただいて」とお礼をおっしゃってました。この間のソルトとの公演の時、トークで「ラフマニノフ難しい!」っておっしゃってましたもんね。
ソロのアンコールは小曽根さん作曲の「My 
Tomorrow」。
しかし協奏曲聴くとよくわかりますが、ピアノは不利ですよね。いくらピアノは蓋が反響板とはいえ、舞台全体の反響板からは完全に外れていて、両脇は抜けちゃってるから、音が飛びにくいですよね。後ろの反響板の真ん前にいるパーカッションが大音量で叩いたらもう負けちゃいます。仕方ないけど。
あと、JAZZのピアニストはタッチがソフトな人が多いから…。
でもとても良かった。小曽根さんのラフマニノフはまた聴きたい。もちろんJAZZも聴きたいんだけど…。
休憩後のマーラー1番「巨人」一楽章、かなり管がやらかしてたし、ピッチが甘いなと思ったけど、あの曲出だししばらく難しすぎですよね。
二楽章、三楽章と進むにつれ、だんだん異様なまでの盛り上がりを見せ、なんだろう、やはり川瀬さんの退任でこれで最後、みたいなのがあったのかなぁ、最後泣けました。オケで泣いたのなんて何年ぶりかなぁ。ホントに色々とやらかしてたのに(笑)
石田泰尚さんが神奈フィルの首席コンサート・マスターとは存じませんで、「強面ヴァイオリニスト」で売ってるのかと思ってたらそうでもないという(笑)
神奈フィル面白いなぁ。でも遠いなぁ(泣)
しかし、川瀬賢太郎さんは4月からは札響の常任指揮者だそうで!札幌なら元上司がいるではないか!(まぁ東京にもよくいるんだけど)札響はKitaraでしょう?あそこいいホールよねー。好きなんだよねー。よし行こう。
あ、そうそうはじめてこういうものをもらったんだけど、
演奏時誰がどこにいるかの配置表。

これナイスアイディアよね。

あと、写真は撮れなかったけれど、帰りにホールの出口近くのモニターに、楽屋と映像が繋がってて、演奏者とお客がお互いに手を振ることができるという。あれ面白いなと思いました。このご時世で混むからということで立ち止まらないでと言われましたが。

明るいし、お天気が良くて、散歩でもしようかと思ったけど、ここは横浜。帰るのに2時間かかるので速攻で帰り足。電車の中でこれを書いています。家につく頃にはもう暗いでしょう。

【本】文楽に関する本3冊まとめて
2/11蕨市のくるるで行われた女流義太夫公演で、寛也さんがいろんな義太夫に関する本を紹介されて、読んだことあるもの、持っている本もあったが、読んでない本がいくつかあったので、この間は大島真寿美さんの『渦』の続編を図書館で借り、その後この3冊を図書館で借り、返却期限内に読み終わりました。
『あやつられ文楽鑑賞』三浦しをん
『赤川次郎の文楽入門〜人形は口ほどにものを言い』赤川次郎
『三毛猫ホームズの文楽夜噺』赤川次郎
赤川次郎さんの三毛猫ホームズシリーズは小学〜中学くらいにさんざん読んだが、まさかこんなに伝統芸能がお好きとは知らなかった。伝統芸能に限らず、クラシックもオペラも現代演劇も映画もよくご覧になっている。
三浦しをんさんは寛也さんの会でお世話になったこともあり、お着物でいらしたりして、お好きなんだろうなーと思ったりしていました。
しかしこの3冊は面白かった!
しをんさんの本は「あー、わかるわかる、私も最初見たときそう思ったわー!」という共感(笑)。
赤川次郎さんのは「もっとこうすればいいのに」というようなことも書いてあってなかなか手厳しいと思ったりもして、でもそのとおりよね、と思った。
この3冊、特に文庫版の2冊は私もおすすめします。
私も今はもう「〇〇実は△△」とか驚かないけど、文楽や歌舞伎に行くたび「はぁー?」と思ってたし、心中ものの男の情けなさに毎回腹が立って「こんな男のどこがいいの!キーッ!」となっていましたが、だんだん慣れるもんですね。
『妹背山婦女庭訓』の通しを見に行った翌日、職場で上司に「何なんですかあの話は!」ってブチギレたら大笑いされて「義太夫聴くの向いてないんじゃないか」とまで言われたほどでした。
また文楽にも行かなきゃなぁと思っています。
最近は歌舞伎ばっかり。
【歌舞伎巡業】中村屋春暁特別公演一部中止

がっくり。

コクーン歌舞伎「天日坊」は観られてとても嬉しかったけれど、巡業も楽しみにしてたのに。大宮が初日だったので行く気満々でした。演目は「高坏」「隅田川千種濡事」。勘九郎くんも七之助くんも合ってる演目だと思うし(どちらも見たことある)、地方(じかた)も絶対いいメンバーだったはずなのよ!
残念すぎるーーー!(泣)
一昨年の明治座の「桜姫東文章」といい、楽しみにしてた公演が観られないと結構凹みます。
でもなにもないといいね。歌舞伎界、ちょっと考えないといけないよね。(文楽界もか)
はぁぁ。仕事も減ってるし、周りには感染者が結構出てるし、cocoaで接触通知が来てドタバタだったし(陰性でしたが)、3回目のワクチンは来週ですが副反応がひどい人が結構いるし、ホントに参る。
【歌舞伎】二月大歌舞伎 第二部(歌舞伎座 2022/2/1〜25)

「片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候」ということだったので、見に行かねばと思い、行ってきました。

「春調娘七種」梅枝、千之助、萬太郎。
若くてキレイで良かったです。
そして『義経千本桜』「渡海屋」「大物浦」。仁左衛門さん迫力でしたね。もう少しで千穐楽なので頑張っていただきたいですが、来月も「河内山」。再来月も「ぢいさんばあさん」でご出演なんですよね。ご無理なさらず…。
しかし『義経千本桜』では、安徳帝は死なないの?
安徳帝の台詞「今ぞ知る みもすそ川の 流れには 浪の底にも 都ありとは」(「今ぞ知る みもすそ川の御流れ浪の下にも都ありとは」二位の尼の辞世の句だ。)がちょっと泣けた。
よくよく考えたら通しで見たことないことが判明。
ウィキ見てみたら、確かに、大序、というか初段は知らない。二段目が「渡海屋」「大物浦」、三段目「椎の木」「小金吾討死」「鮓屋」四段目「道行初音旅」、ここまでは知ってる。「蔵王堂」これ聴いたことない。「河連法眼館」これは当然知ってる。一番有名。「四の切」というやつ。五段目「吉野山」これも知ってるけど殆ど記憶がない。もしかすると道行とごっちゃになってるかも。
安徳帝は?安徳帝は結局この『義経千本桜』ではどういうことになったの?
よくわからないのでした。勉強しよう。
あと、通しが文楽か歌舞伎であったら見に行こう。
最近伝統芸能初心者との付き合いが増え、説明を求められるのだが、説明できない!
自分の不勉強をホントに悔やみますねぇ。言葉で説明できないんだよなぁ。
追記 安徳帝をやった小川大晴くん、「小川」姓の歌舞伎役者いるし子の堂々たる安徳帝役は誰の子だろうと思ったら、梅枝くんのお子さんだそうで。納得。
【演奏会】女流義太夫演奏会 2月公演(2022/2/20 紀尾井小ホール)
本日は「女流義太夫演奏会2月公演 竹本越里新人奨励賞受賞記念」でした。
演目は『絵本太功記』。
越里さんは「妙心寺の段」。
師匠・先輩・後輩たちは「尼ヶ崎の段」、通称「太十」。
いやー、どっちも大変な演目ですよね。
体力使う。
越里さんは初舞台からずっと聴いてるので、もうそんなにたったかー、と思います。
写真は今日頂いた手ぬぐい。初舞台のときに頂いた手ぬぐいもまだちゃんと持ってますよ。
前も書いた気がしますが、実は私は「太十」はあまり好きではないです。
「光秀声あららげ」
「光秀わざと声あららげ」
「光秀怒りの髪逆立て」
と、もう大声出しすぎだろって感じがしてしまうからです(笑)
まぁそれは以前、昔の義太夫の名人のCDを作ったときにそこにトラックを打たなければいけなくて、確認だの何だので、何度も何度も聴いたからだと思います。その太夫が激しかったから…(男性です。しかもSPからのレコード復刻のさらにCD復刻。)
今回「大落し」というのがどこかと言うのは教えてもらって良かった。なるほどここが「大落し」なのね、確かに、と。
しかしみんなよく声潰れないね。リハも結構本気でやってたから大丈夫なんだろうかと不安に思ってましたが、鍛錬の賜物なんでしょうね。
『絵本太功記』は口上も気合が入るのか、口上の出番しかないのに皆さんすごかったです。
【本】「奇跡」林真理子
実話に基づいたフィクションなのだが、歌舞伎好きならすべて誰のことだかわかる。
歌舞伎関係者は別の名前になっているけれど、田原桂一さん、博子さんは実名だ。
「そうだったのか、あの離婚・再婚はそういうことだったのか」
と思ったりもする。
読みやすい。買うまでもないかなと思ったが、新刊なので図書館にはまだ入ってないので、Kindleで買って読んだ。
そして2時間かからず読めた。
最後は泣いた。
歌舞伎ファンだったら、その人で頭の中で再現されちゃうだろうから、なんかそうだろうなぁとか思うのではないかな。