観たり、聴いたり、思ったり
【歌舞伎】コクーン歌舞伎 天日坊(2022/2/1〜2/26)

コクーン歌舞伎はかなり見ているけれど、チケットが取れなかったりして行かれなかった年もある。

2012年は勘三郎さんが具合が悪くて勘九郎くんたち若手で初めて演ったコクーン歌舞伎が、宮藤官九郎さん脚本の「天日坊」だった。
演出派もちろん串田和美さんです。
初演のとき、ただの歌舞伎の物語がどうとかではないものをすごく感じた。チラシにもある「俺は誰だあっ!」というのを本当に感じた。
孤児で、お坊さんに法策という名前をつけられていたが、亡くなっている頼朝のご落胤の証拠を手にし成り上がろうとする、でも腕のあざなどから、実は木曽義仲の子の義高だということがわかる…そのことで味方も出来る。当然敵もいる。
結局、お前は誰なんだと。
その「誰か」であることによって、敵になったり味方になったりして。
自分が何者であるのかは、結局他人によって決められるのか?
なんだかすごく考えさせられて面白いと思った2012年版だった。
その再演と聞いて、絶対取るぞー!と頑張り(頑張らなくてもこのご時世取りやすかったが)先日ミロ展とセットでBunkamuraに行ったのでした。
2022年版はキャストも少し違っていたし、このご時世で30分ほど短くされているらしい。
でも、よりわかりやすくなっていたかもしれない。
トランペッターが少なかったのと、客席を通ってくれなかったのが残念だけど、これもご時世柄仕方ない。
まだまだ若い勘九郎、七之助、獅童だから(獅童くんは私と同い年なので若いとは言いづらいか)、立廻りもかっこいいし、本当にこれはいい歌舞伎になっていると思う。
黙阿弥調の台詞もいいしね。
コクーン歌舞伎の中で一番好きかも。
Bunkamuraも来年から改修に入ってしまうし、しばらく「コクーン歌舞伎」が見られないのは残念だけど、改修後を楽しみに待っています!
写真は今年のパンフレットと2012年のパンフレット。
【映画】ウエスト・サイド・ストーリー(2021年 スピルバーグ監督版)
行ってきました。「ウエスト・サイド・ストーリー」。
良かった。とても良かった。
60年前のも何度も見てて曲もみんな知ってる。
バーンスタインの曲いいねぇー。
「トゥナイト」「マリア」とか知らない人いないんじゃないの。「クール」とか。
「マンボ!」って言いたくなるね。演奏してる方も嬉しかったろうなと思いました。
ロスフィルとニューヨークフィルだったかな。指揮はドゥダメルでしたね。
歌もダンスもとてもカッコよかった。
そして古さを感じさせないね。
そしてYouTubeで60年前のが部分的にあったりして見たけど、これまたすごいですね。
当時はアナログ編集でしょう。CGとかもないわけだし。
今作、製作総指揮がリタ・モレノというのもぐっときますね。60年前にアニタを演じた人です。
スピルバーグも60年前のこの作品にリスペクトを持っていたんでしょうね。それがすごく感じられる映画でした。
60年前の映画はもちろん私はテレビでしか見たことがないけれど、当時の映画人ってほんとにすごいなと思います。名作多いし。

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【本】『結 妹背山婦女庭訓 波模様』大島真寿美(文藝春秋社)

先日の公演のお話の中で『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(2019年直木賞)の続編が出ていると知り、早速図書館で借りて読みました。

こちらのほうが読みやすく、わかりやすく感じましたが、やはり前作を読んでこそかな。
前作を読んだ方は是非。それから文楽好きの方も是非。
近松半二の作品は面白いことは面白い。あ、面白いなと思うと半ニ作品という感じ。でも「そんなぁー!」とか思うことも多い。
近松門左衛門は結構原文を読むと惨たらしい表現が多かったりする。あんまり気持ちいいものではない気がする。
【展覧会】ミロ展−日本を夢みて(2022/2/11〜4/17 Bunkamuraザ・ミュージアム)
ミロ展、見てきました。
子供の時からミロが大好きだったんですよね。なんでなんだろう。見てたら懐かしい気持ちになりました。
ピカソほど重くないからですかね。
そして1986年没とか、つい最近なんだなと知りました。
1896年生まれで1986年没。
「数字はおんなじなんだね」
と言う母。
小学校にあがる前から好きだったのだけどそれはなんでだったのか不思議です。
家に画集もなかったし。世界名画全集みたいなのがあってその中にはあったかな?
日本が好きだったことも今回初めて知りました。
グッズでほしいのがあったけれど、高くてやめました。クリアファイルとブックマーカーだけにしました。
【演奏会】小曽根真 OZONE60バレンタイン・ジャズナイト(2022/2/14東京文化会館小ホール)
満席でした。

小曽根真さんが弾いているのを見ていると本当に楽しそうだ。

60歳とは思えぬ可愛さ。(失礼)
あんなふうにピアノが、楽器が弾けたらきっと楽しかっただろう、といつも思います。私は楽譜にがんじがらめだったから。
最近の小曽根さんはクラシックも弾くのでとても面白い。
今日のプロコフィエフの戦争ソナタ7番3楽章は凄かった。これ、ピアノとウッドベースって!という感じ。
来月のラフマニノフも楽しみにしています!
CDも売っていたけど、全て既に持っていたので買わなかった。
そして最近始めた、若い人を育てるプロジェクトがすごいと思う。60歳でそんなことしちゃうんだもんね。
ホントに邦楽とはえらい違いやでまったく。
才能ある若手を育てていかないと駄目なんやで。
あと前も書いた気がしますが、小曽根チームの照明さんはどなたなんでしょうか!素晴らしい照明ですよねいつも!曲中の決めるとこでバシッと決める照明にしびれます!
私も昨年12月の公演の照明は「お見事でした」と褒められましたが、まだまだ。勉強しなくちゃなぁ。
本日の曲目はこちら。
【展覧会】よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技(2022/1/26〜3/27サントリー美術館)
本日はサントリー美術館に行ってきました。模刻でも、螺鈿紫檀五絃琵琶を見たくて。思ってたより小さかったです。それと、尺八(洞簫)も3つ出ていました。箜篌とか、和琴も出てました。
なかなか奈良の正倉院展には行けないので、模刻でも大変勉強になりました。
【演奏会】第17回 花のように香れ 女流義太夫(2022/2/11 蕨市立文化ホールくるる)

本日は近場ということもあり、蕨での公演に行ってきました。前にも何度か行ってますし、手伝ってたこともありましたが、コロナで規制がされるようになってから、行っていなかったので久しぶりです。

「仮名手本忠臣蔵 大序」寿々女・津賀榮。
大序は若手がやることが多いところですが、前に伺ったときに納得したのですが、その物語の登場人物がずらりと出てくることが多いので、実は大変なのだと聞きました。まさに、語り分けの難しいところだなと思いました。

間にあった「ちょっと義太夫」のお話も面白かったです。義太夫に親しめる書籍の紹介でした。
「源平布引滝 瀬尾詮議の段」綾一・津賀寿。
綾一さんは少しお休み期間があったので久しぶりに聞きましたが、声も出ていたし、良かったのでは。
こんなご時世だし、と思ったけれど、結構入っていましたね。良かった良かった。
次回のくるるでの公演は2022/10/16だそうです。
【映画】「大怪獣のあとしまつ」(2021年)
本日、久しぶりに「おお、すげー駄作だなこれは!」と思う映画を見ました。
「大怪獣のあとしまつ」
タイトルに惹かれて行ったのだけど、ギャグなのかどうかすらわからない映画だった。本気のシリアスか、ギャグか、ちゃんと振り切れていれば面白かったと思うのに。
そしてすごい豪華キャストだったのに、なんともったいない。という感じだった。
駄作批評したければ見に行ってもよし。でも一般料金高いからね。何かで安く見られるなら是非この駄作ぶりを見てほしくはある。
「大怪獣のあとしまつ」公式
https://www.daikaijyu->atoshimatsu.jp/

【展覧会】ポンペイ展 (トーハク 2022/1/14〜4/3)

ボンペイ展に行ってきた。ボンペイがどこにあるのか、きちんと把握してなかったので、まず場所に驚いた。

紀元後79年にヴェスヴィオ山噴火で火山灰によって埋もれてしまった都市、ということは知っていた。
発掘の最初(1700年代)は宝探し的な感じだったらしいが、1960年代からは保存・修復という意味を持って今も続けられているそうです。
すごく広いんですよねー。というかどれだけすごい噴火だったのかと思う。恐ろしい。
カメオがいくつかあって、とても綺麗でした。
火山灰だからキレイに残っていたのかなぁ。流石に溶岩だと溶けたり壊れたりするものね。
土曜日に行ったので仕方ないのですが結構混んでいて、まぁでもご時世で予約制なので、コロナ前よりはゆっくり見られます。
因みにこの展覧会はほぼ撮影可です。
【CD】狂言 Ado

普段から古典芸能とクラシックとJAZZしか聴いてないように思われがちですが、最近は最近のものも聴くようになりました。

AdoがCDアルバムを出すというので買いました。
今度ライブもやるそうです。見てみたい。
(というわけで初回版特典で応募してしまった。当たるといいな。)
全14曲。
彼女は「歌い手」であり、作詞・作曲はせず、他の人が書いた歌を歌っている。
この14曲の中では「会いたくて」は彼女の声質とは合わない気がしたけれど、他の曲はとても合っていると思う。
まだ10代。今年ハタチになるのかな?(なったのか?)
ボカロとかさっぱりわからないけれど、彼女の声が好きですね。
あと、楽曲を提供している人のセンスもなかなかだと思う。若い人が多いのだろうけど、歌詞を聞いてると、今年50のオバサン(私)は、「わかるよそういう気持ち」と懐かしく思ったりします。大人になるときに拗らせてそのままこの年になってしまった私は、彼女の代表曲と言っていいのかわからないけど「うっせぇわ」のような気持ちを心の奥底に持っているのです。もう表に出てくることはないけれど。