観たり、聴いたり、思ったり
【演奏会】第七回山登松和の会(2022/11/22 紀尾井小ホール)

 

第七回山登松和の会、終了しました。
ご来場の皆様ありがとうございました。
構成・舞台進行担当として御礼申し上げます。
素晴らしい演奏会になったと思っています。

今回は企画段階から関わらせていただき、私は昔から山登ファンなので、
もっとみんなに山登さんの素晴らしさを伝えたくて、構成にまで口を出しました。
それがいい方向に出た第七回だったと思います。

もちろん100点はないので、反省点はそれぞれにあると思いますが、
山登さんの魅力はお客様に伝わったのではないかと思います。

*ここまでの写真はリハのもの (c)大森美樹

アンケートも、箏曲の会にしてはかなり皆さん書いてくださいました。ありがとうございました。

山登さんは楽器の音もいいし、声もいいし、見た目もいいし、三拍子揃った、素晴らしい演奏家です。
耳もいいから音色などにもこだわりますし、曲の解釈などもとても細かくこだわります。
これからもっと素敵な演奏家になると思います。いえ、なります!
そのためのお手伝いなら何でもします。

私は本番は袖でずっと「頑張れー」と応援するしかない舞台進行係ですが、
あっという間でもあり、でも山登さんの演奏をたっぷり聴けて、満足しました。

本番時舞台袖の御簾から(c)大森美樹

お客様はどうだったでしょうか。アンケートを今度見せていただきます。
既に何人かの方にはお褒めの言葉をいただき、とても嬉しかったです。

本番時舞台袖の御簾から(c)大森美樹

スタッフもみんな協力してくださって本当に感謝しております。

この演奏会は聴く価値あったと思いますよ!
聴きに来てくださった方はラッキー、来られなかった方は残念としか言いようがありません。
配信の予定もないですしね…。
でももっとたくさんの方に聴いていただきたかった。

皆さん是非今度山登さんの演奏を聴けるチャンスがありましたら聴いてください。

 

山田流箏曲演奏家 山登松和 オフィシャルサイト
https://yamato-showa.com/

 

【コンサート】小曽根真×塩谷哲DUET2022感想(2022/11/19 さいたま市 RaiBocHALL)

小曽根さんと塩谷さんのDUETを埼玉県大宮のRaiBocHALLで聴いてきました。

初めて二人でDUETをやったのは2003年だそうです。

私はこの2003年の映像をテレビで見て、感銘を受け、圧倒されました。
目からウロコというか、ピアノに対する気持ちを変えられたのはこのDUETだったと言って過言ではないです。

このDUETのCDは、2005年にそれぞれのレーベルから洒落たデザインで出ています。


別レーベルなのに同じデザイン。2枚並べると繋がっているという。

私はTVで見ただけで、コンサートにはなかなか行けなかったのですが、
その後は見つけるたびに都合がつけば行っています。

小曽根さんのことがとても好きで、スケジュールもマメに確認し、
Twitterもフォローし、Facebookもフォローし、
最近のオケとの協演なども聴きに行って、本当に好きなアーティストです。

コンサート素晴らしかった!
去年(かな?)、鎌倉に聴きに行ったときも素晴らしいと思ったけど、今日は本当に素晴らしかった。
ピアノを楽しそうに弾く小曽根さん、塩谷さんが本当に羨ましかった。

セットリストはこちらです。

CDもほとんど持っているので知っている曲も多かったのですが、JAZZですからもちろん毎回違います。

楽しい。
音楽ってこういうことじゃないかなぁ。

小曽根さんはサービス精神の塊みたいな方だから、本当に楽しませようと思って弾いてる、
そしてそれがご自分も楽しいのだと思います。

塩谷さんはごめんなさい、ソロとか小曽根さんとのDUET以外知らないのでなんとも言えないのですが・・・。でも最初の緊急事態宣言でステイホームになって、毎晩小曽根さんがFacebookでライブをしてくれていたとき、
いつもコメントしてたりして、この二人は本当に仲がいいというか、いいコンビなんだろうなと思っています。
小曽根さんの動画に重ねて動画撮ったりしてましたもんね。さすが!と思いました。
そして嬉しかった。たとえ動画でも二人のDUETが聴けたから。

ここのところ見つけては二人のDUETを聴きに行ってるので、知ってる曲もたくさんあったけれど、大満足。
二人の掛け合いも本当に楽しそうで。

最後のMCで、ハンガリーに行って、という話や、今のウクライナの問題とか、
普通に話してくださるのが心に刺さって、涙が出て仕方がなかったです。両隣の方も涙をふいてました。

そう、音楽で人の心が動くことはあるんですよ。
戦地で聴いた方は、救われた人もたくさんいたと思います。

本来それはどんな音楽でもそうであると、そうでなければいけないと思っています。

 

RaiBocHALLは満席でした。でも大手チケット販売サイトに預けてないんです。
でもこれだけ満席にできるということは、さいたま市以外の人もたくさん来てたのだと思います。
お客さんの質がとても良かった。嬉しかったです。自分の地元でこのDUETが聴けることが。

こんなに心を動かされたピアニストはいないんですよね、私には。

私はもうとっくにピアノをやめていますが、トラウマみたいになっていましたけど、
このDUETを聴いて、いろんなことが全部消えたのです。
音楽に関わる仕事をしてても、こんな気持ちになったことなかったのに、
このDUETは私の気持ちを変えたのです。特にピアノに対して。

2003年から続いている小曽根真と塩谷哲のDUET。是非、どこかで聴いてください。

CDでは伝わらないので、二人の、目と目で通じるやり取り。音楽の力。
もし、楽譜にがんじがらめになってる人がいたら、その自由さ。
もちろんそれは、確固たる基礎があっての自由なわけですが。

それから、小曽根さんのチームだと思うのですが、照明さんが素晴らしいんですよ。
曲をわかってないと絶対できない照明なんです。
JAZZだから、アドリブあったりするのに、バシッと決まる。
毎回同じ照明といえばそうだけど、安心しますね。そして美しい。
会場に行っていつもの照明だと、「今日も小曽根チームの照明さんね」と思って
逆にどんな照明してくれるのか楽しみで仕方がない。

コンサートもチームって大事です。

会場に行くところからコンサートは始まっているんです。
お客さんは前日の「明日は何を着ていこう」から、コンサートを楽しみにしています

小曽根さん、塩谷さんのコンサートはそういうコンサートだと思います。

ありがとうございました。感謝。
小曽根さんと塩谷さんに届け、この思い!
あといつも美しい照明をしてくださる照明チームにも!

【読書】『職業、ブックライター。』上阪徹 著(講談社)感想

ライターにも色々あるんだなー(今更)。
私がやりたいライターの種類はこちらに近い。
ブックライターって、要するに有名人がビジネス本とか出すじゃない。
あれって本人が書いてるわけではなくて、取材をする人がいて、ブックライターがまとめるんだよ。
いくらビジネスですごい人でも文才があるとは限らないし、そもそもそういう人はそんな暇ないでしょう。
だから取材してその人の著書として取材内容を文章化して本にまとめる人がブックライター。

私はこっち系が好きだな。インタビューライターとか。
インタビューして、文字起こしして、記事にする。
今は本にするのがいいのか、Webがいいのかわからないけど、
とにかくそういうライターを目指してます。

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【演奏会】第六回徳丸十盟尺八演奏会(2022/11/6紀尾井小ホール)

本日は第六回徳丸十盟尺八演奏会でした。こちらも最近は私が、舞台進行をしております。

今年は参加申請できる文化庁芸術祭最後の年で、そんなことは知りませんでしたが、参加することができました。

まず何にびっくりって、データ上でしか確認していなかったプログラムの作りにびっくり。糸綴じのプログラムなんて初めてだよ!紙もいい紙でした。そりゃあ入稿があんなに早くなるわけだよね!

糸綴じのプログラム

今回はすべて二重奏の演目でした。「鹿の遠音・鶴の巣籠 吹き合わせ」は録音もしたことがあり(この録音については色々思い出がある)、懐かしい感じでした。都山は田辺頌山さんで、いい組み合わせだったと思います。

本番の時袖から撮りました。

「鶴門」は去年初めて聴いて、その後なんだか続けて聴く機会があったけれども、今日の演奏はよかったなぁと思います。胡弓と尺八の組み合わせなんてまずないので貴重ですね。胡弓は川瀬露秋さん。

本番の時に袖から撮りました。

「残月」は2日前に続きまして、藤井泰和先生ご出演。リハで三味線を色々試しましたが、やっぱり「いつもはこの組み合わせ」という楽器と駒の組み合わせに落ち着き、安心して聴けました。

息もぴったり。長年の付き合いですものね。

「秋風の曲」は先日文化勲章を受章された、山勢松韻先生(人間国宝)と。山勢先生の秋風は聴いたことがなかったのでとても楽しみにしていました。文化勲章を取られた為にまた年齢まで発表されちゃって、びっくりですが、そのお年には見えないほど背筋も伸びて、シャキシャキされていて、さすがでした。お声もよく通って。山勢先生の秋風は初めて聴かせていただきました。最近では珍しいと思います。

リハで。

尺八との二重奏だと糸方は絶対に全部一人で歌わなきゃいけないので大変ですよね。

しかしどの曲も知っていたので進行としては助かりました。

一昨日に続き、いい演奏会だった。さて、あとは後半に曲選びから関わった演奏会があるので、そちらに頭を切り替えます。

【演奏会】第28回藤井泰和地歌演奏会(2022/11/4 紀尾井小ホール)
昨日は第28回藤井泰和地歌演奏会でした。阿部先生27回忌、久仁江先生17回忌追福。もうそんなに経ったかと思いました。
泰和先生の舞台は最近、私が舞台進行をやっております。
配置や照明の具合、音響はマイクないから、演奏者の位置などでいい音がするところを探します。
泰和先生の会には、服部御大がいてくれるので、私が迷っても服部さんが「ちょっと違う」「大丈夫」とか言ってくれるので、安心できます。
そして服部さんとは狙いたい方向性が似ているらしく、思うことは同じだったので決めるのは割と早かったです。
演奏は素晴らしかった!
声もよく出ていたし、音も本番、良かったと。
本番は私は袖でしか聴けないですが、袖でも良かったと思うから、大丈夫だったと思う!
そして立派だった。
銀明会の皆さんも本当によく演奏されてました。
「筆の跡」はリハでは面白いことがありましたが(笑)、まぁ置いておいて、
やはり兄妹だなぁと。こんなにぴったり合う三絃合奏はないのではないかと思いました。
舞台を降りてこられた時、油断して泣きそうになりました。
「四季の眺」は山勢麻衣子さんが山田の方とは思えないお箏の音で、意外でした。
いわゆる山田の曲じゃないからかもですが、柔らかいいい音でした。
あと山田の方は黒の着物がほとんどなので、色の着物を着てらっしゃるのが、いつもと雰囲気が違って、
失礼ながら「かわいい」と思ってました。
しかし松浦検校の転調はいつ聴いても馴染まないわー。作曲された当時は面白かったのかもしれませんけどね。
不思議な曲です。歌詞はいいんですよね。
泰和先生は松浦ものでCDも出しているし、お好きなのかしら。
「磯千鳥」は個人的に思い出の曲でもあり、
また大好きな菊岡検校・八重崎検校コンビの作曲なので気持ちよかったです。
歌詞は「楫枕」を書いた人と同じと伝えられているとのこと。すごく納得。
露秋さんがこのために胡弓の手付をしたとのことで、
菊岡・八重崎の名曲に胡弓手付はプレッシャーだったのではと思いました。
米川文清師のお箏は安定の音。
「残月」は総勢21名の三絃。替手は泰和先生おひとり。本手20人従えての大合奏。
でもちゃんと聞こえてましたよ。袖で聞こえてるんだから、客席も大丈夫だったでしょう。
舞台開いた時におおーってなったのではないでしょうか。
泰和先生はご自分で「緊張するから」とおっしゃってましたが、
昨日はとってもリラックスしているように見えました、そう見せてただけかもしれませんけど、でも本当にいい音と声で、私は満足。
富樫教子先生が4月に亡くなったのを、最近まで知らず、
妙子先生がご出演だったので「お久しぶりです」とご挨拶はしたのですが、
富樫先生にはお世話になりましたし、なんか話題にすると公演本番なのに湿っぽくなってしまいそうだったので、
何も言えませんでした。
阿部桂子先生、藤井久仁江先生、富樫教子先生を偲びつつ。
【演奏会】女流義太夫公演 人間国宝 竹本駒之助・鶴澤津賀寿の至妙(2022/11/1 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール)

渋谷区文化総合センター大和田の伝承ホールは、こけら落としから関わっています。「伝承」というくらいなので、邦楽も扱っているため、ホールの担当者に紹介されて、それ以来のお付き合いです。

渋谷区ではプロジェクトとして伝統芸能を学ぶプログラムがあり、
「伝承ホール寺子屋」としてホールができた時から続いています。

11月1日は「古典の日」というきちんと国が公布した記念日です。
その「古典の日」に女流義太夫公演をやろうということになったのは年度が変わってすぐぐらいでしたでしょうか。

私は、なんとか駒之助師匠の義太夫を、普段なかなか義太夫を聴くチャンスのない人にも聴いてもらいたい
と思っていて、もちろん三味線は津賀寿さんでなければだめで、そのコンビでの演奏会を「渋谷区の主催で」やってもらいたかった。

なので、開館からずっと関わっている人を昨年の義太夫協会の定期公演に招いて、聴いてもらいました。
津賀寿さんは寺子屋の講師もやってくれていたので、みんな知っているけれど、
駒之助師匠の義太夫を聴いたことはなかったので、「是非聴いてもらいたい!」と言って来てもらったのです。

その効果もあってか、総合プロデューサーの鈴木英一先生(常磐津和英太夫師)が津賀寿さんの後輩だったからなのか、春に「駒之助師匠と津賀寿さんにお願いしたいので、都合を伺ってもらいたい」と連絡があり、すぐ確認を取り、無事にお二人とも空いていたので、実現の運びとなりました!

演目を決めるにあたっては「任せる」と言われてしまったので、津賀寿さんと二人で話をし、決めさせていただきました。

駒之助師匠が「殿中刃傷」はあまりやったことがない、というのは先月のインタビューの撮影まで知りませんでした。

しかし、逆に、これは貴重な演奏が聴けるじゃないか!と嬉しく思いました。

そして、津賀寿さんの人間国宝内定のお知らせが入ったちょうどその頃チラシを作成しており、ほとんど出来上がって入稿寸前で「ちょっと待ったー!」と待ったをかけて、国宝発表になったタイミングで印刷に回してもらいました。

今回はいろいろな奇跡が重なって、公演ができた、貴重な会でした。

インタビューの動画は年内には寺子屋のホームページでアップされるのではないかということです。
写真は動画を確認する師匠方。

 

舞台配置なども任されて、舞台監督はずっと渋谷の仕事を一緒にやっている人なので、いろいろお願いしやすく、紀尾井とはまた違った意味で、やりやすかったです。
また、プログラムについてもいつも私がお願いしている方にお願いでき、彼女は義太夫を習っていますから、よくわかっているし、とにかくいろいろやりやすいようにやらせて頂けました。
師匠方もいつもの私がいるので、「いつもと同じ」で、少しは安心していただけたのではないかと思います。

写真は舞台に向かう直前のお二人。

女流義太夫の若手公演の「じょぎ」とかぶってしまったことが、唯一残念ですが(内輪でお客様を二分することになってしまったので)、古典の日は国の公布ですから11月1日から動かせないし、「じょぎ」も1日、2日にやることはもう長年決まっていることなので、仕方がありませんでした。来られなかった人残念!

写真は緞帳があがる少し前のお二人、この時、緞帳前で鈴木先生がお話をされています。

演奏は素晴らしかった。

音出しでちょっと声を出していただいただけで、「師匠、調子いいな」とわかる感じでしたから、
もう全然心配ありませんでした。

  

たっぷりで、立派な「殿中刃傷」で、そのまま「裏門」に続くという珍しいやりかたをしました。でも話がよくわかって、初めて聴くお客様も楽しめたのでは。

駒之助師匠の声は聴きとりやすいですしね。津賀寿さんの三味線は迫力がありますしね。津賀寿さんの三味線は本当に男前です(女性ですけど)。

本当に公演できてよかったです。

私の個人的な「区の主催で、伝承ホールで駒之助師匠と津賀寿さんの演奏を聴いてもらいたい」という夢が一つかないました。

関係者の皆様に感謝いたします。もちろん、こころよく出演してくださった、駒之助師匠と津賀寿師匠にも感謝いたします。感謝してもしきれないです。

さあ、まだまだ今月はいろんな公演が続くぞ!

 

最後に、堺雅人さんから真赤な薔薇が届きましたので記念に。

ちゃんと楽屋でみんなで分けて持って帰りました。真赤な薔薇はいただくとテンション上がりますね。

【コンサート】マリオ・ブルネロのバッハ無伴奏リサイタル(2022/10/28 紀尾井ホール)

紀尾井小ホールはもはや「ホーム」と言ってもいいくらい、仕事で来ているので、お客さんとしてホールに入るのは新鮮です。
しかも小ホールではなく下の大きい方のホール。
四谷から歩いてきて、何も考えずに楽屋口から入ろうとしてしまいました。危ない危ない。

久々にバッハ漬け。家でもバッハを聴いてることは多いのだけれど、チェロはあまり聴かないかもしれません。

マリオ・ブルネロはチェロと、チェロ・ピッコロというチェロよりちょっと小さい楽器を今はお気に入りだそうで、今回もチェロで「無伴奏チェロ組曲」を。チェロ・ピッコロで「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ」を演奏しました。

チェロより小さい、と言っても、ほとんど変わりなく見えました。
しかしブルネロが使っていたチェロが1600年代初頭に製作された楽器ということだったので、普通のチェロより少し小ぶりだと思うから、そう見えたのかもしれません。

チェロ・ピッコロは1600~1610年ごろ製作された楽器の再現複製の楽器ということで、それは見た目にも明らかで、チェロの年月を重ねた色合いや音色と、チェロ・ピッコロのまだ若い感じとはとても違いがあり、聴いていて面白かったです。

チェロ・ピッコロはヴァイオリンより1オクターブ下に調弦されているとのことでした。
ヴィオラはヴァイオリンの5度下なので、さらに下ですね。因みにチェロはヴィオラの1オクターブ下。

ブルネロが使っていたチェロは低音にとても深みのあるいい音でした。

しかし、何が理由か不明ですが、音程が甘かった気がします。古い楽器だから緩むのかな。
ちょっと調弦が甘くなる感じがありました。

 

日本の箏などは古くなったら、スッカスカな音になってしまい、演奏会には全然向かない楽器になってしまうのですが、西洋楽器は1600年代の楽器がまだ現役で使えるというのがすごいです。三味線だって、1600年から使っていたら棹が勘べりしまくって削るから、太棹だったのに細棹くらいになってしまうでしょうね。そしたらもう違う楽器になってしまう。素材の問題かな。

しかし、バッハに浸かって幸せな時間を過ごしました。3時間でしたが、全然長く感じませんでした。

【演奏会】下野戸亜弓箏曲リサイタルー山田検校作品連続演奏会IIIー(2022/10/23)

2019年から開催している「下野戸亜弓箏曲リサイタルー山田検校作品連続演奏会」も3回目を迎えました。
毎度いろいろ難しいご注文をいただくのですが、メンバーが同級生だったりなど、楽しそうでもあります。
私は大好きな演奏家の皆さんがご出演でそのお手伝いをさせていただけるのが、本当に嬉しくて。

今回は照明を明治座舞台さんにお願いしました。紀尾井の舞台スタッフは明治座舞台さんなので、お仲間ですから
いろいろとスムーズでした。お互いやりやすかったのでは。

山田流の奥四つ物である「小督曲」はスタンダードな形でやりました。でも山田らしい、これぞ山田流という感じで、安心して聴いていられました。お笛が入るのはちょっと一工夫かもしれませんが、寬さんのお笛はとても美しく、ぴったりでした。

久しぶりすぎるくらい久しぶりに寬さんにお会いできたので、楽屋でキャーキャー言ってしまいました(笑)。

「那須野」は殺生石の話です。三味線を義太夫三味線でやり、蔭囃子で鳴り物をいれるという趣向でした。

どうなるのかな~と思いましたが、狐は義太夫は得意なところですし、結構合ってました。これはアリだなと思いましたね。自然に聞こえました。

蔭囃子は本番で袖にずっといましたので、証拠写真として撮りました。いろいろやらなきゃいけなくて大変ですよね。でもお囃子ってかっこいいですよね。

「明けがらす」は山田流のは「浦里時次郎」とは関係ありません。短い曲でしたが、照明がただ月を出すだけじゃないところがよかったですね。きれいでした。

司会の山本哲也アナは前回のことを覚えててくださって、私のことも覚えててくださったので、うれしかったです!リハが終わってお弁当の時間にお話ししていたのですが、いろいろ情報交換をしました。そして、結構いろんな意見が一致しまして、盛り上がってしまいました。

MCはプロはやはり違いますね。とても聴きやすい、わかりやすい。NHKのかたはさすがだなと思います。

(写真は舞台袖からの2枚以外はリハーサル時。撮影:大森美樹)

平成中村座十月大歌舞伎 第二部(2022/10/19)に行って来ました!

久しぶりの浅草寺裏での平成中村座!

2022年は江戸三座(中村座、市村座、守田座)が猿若町に移ってから180年ということで記念の年だそうです。

第一部は『双蝶々曲輪日記 角力場』『極付幡随長兵衛』でしたがちょっと見に行くチャンスがなさそうです。

第二部に行きました。

第二部は35年ぶりの上演となる有吉佐和子さん作の『綾の鼓』と宮藤官九郎さん作の新作、『唐茄子屋〜不思議国之若旦那』でした。
『綾の鼓』はいかにも有吉佐和子さん作という感じで、芸能を題材にする作品でした。清元と上手く絡んだ作品でした。

宮藤官九郎さんの新作歌舞伎

『唐茄子屋〜不思議国之若旦那』はもう面白くて面白くて、笑って笑って、すごかったです。
平成中村座で新作をやるのは初めてだそうです。言われてみたらそうでしたね。

荒川良々さんがいい味出していました。
勘九郎さんと獅童さんの啖呵もめちゃくちゃ楽しかったです。
アドリブの応酬もすごくて、止まらないのではないのかと思うくらいでした。

最近歌舞伎で獅童さんを見るとき、なぜか飛ばしてることが多くて、ホントに面白い。

そして、勘太郎、長三郎の二人はずいぶん大きくなって。
そしてあのアドリブ大会の中でよくついて行って!あの年からあれだけのテンポの話と、
何を起こすかわからない人たちと新作歌舞伎をやってついていってることに、大笑いしたと同時に、感激しました。

それから竹本の方が出ますが、普段ならやらないことをなさってて、それもかなりおかしかったです。

面白すぎたので、11月もおかわりしてしまうことにしました。しかも桜席取れました!

10月はまさに唐茄子の季節(ハロウィーン)なので、そんな演出もありましたが、来月はどうなっているでしょうか。楽しみです。

とにかく久しぶりに笑った笑った。

【読書】『旅行ライターになろう!』野添ちかこ著 青弓社 感想(2022/10/15)

2022年10月現在、私はWebライター始めて半年ですが、得意分野がマイナーなので、なかなか思うような案件はありません。

旅行も好きだからなにかヒントになるかと思い、この本を読みました。

ライター云々より色々と勉強になったし、共感しました。この本の発売は2022年4月。まさに今の時代の本。
ライターになりたい!と思っていなくても、すべての仕事のあり方について語られてると思うので、
特にフリーで仕事している方は読んで損はありません。

そして著者のプロフィール見たら同い年でした。そりゃ色々と共感もしますね…。

この本の特に後半は、今の時代の仕事のあり方のようなことでもあるので、参考になると思います。オススメです。